毎日インスタに写真を上げている。いいねは付く。それなのに、平日の席が埋まらない。何が足りないのか分からないまま、閉店後にまた投稿を作っている。個人でカフェを営む方へ。
先に結論を書きます。インスタは、お店を「見つけてもらう場所」です。行くかどうかを決める場所は、多くの場合、地図と口コミです。投稿をがんばっているのに来ないお店は、見つけてもらった後の「確かめる場所」が空いていることが多くあります。
この記事では、カフェを取り巻く数字と、インスタだけでは届かない理由、今日から直せる3つを書きます。総務省の統計(全日本コーヒー協会のまとめ)、日本政策金融公庫の調査、Google のヘルプ、当社が全国のカフェ2,683店の Google の情報を数えた結果をもとにしています。
「インスタの効果を感じない」のは、あなただけではない
ネットの相談の場には、同じ迷いが書かれています。
しかしあまりインスタ効果を感じていません。
インスタを見て少しずつ来てくれる人はいる。メニュー・おすすめ・営業カレンダーを投稿している。ハッシュタグを付ければ見つけてもらえるのか。(飲食店・2024年9月・原文)基本的にインスタで情報を流そうと思っているのですが
夫婦2人で小さなカフェを開く前の相談。看板やのぼりを出すだけでは、来てもらえないのではと不安。(カフェ・2023年6月・原文)
個人のカフェは、広告にお金をかけにくい。だからインスタに頼る。それ自体は正しい選び方です。ただ、インスタだけで「見つける」から「行く」まで全部を担うのは、無理があります。
カフェの数は減り続け、残った店の間で選ばれている
まず、カフェを取り巻く数字です。思い込みではなく、出典のある数字だけを並べます。
- 喫茶店の数は、1981年の154,630か所が一番多く、2021年は58,669か所。一番多かった時の4割ほどです。2016年の67,198か所からの5年でも、約8,500か所減りました(総務省の事業所統計・経済センサスを全日本コーヒー協会がまとめた表)
- 2016年に開業した企業を5年追った調査では、2020年末までに廃業したのは全体で8.9%、「飲食店、宿泊業」は14.7%で、業種の中で一番高い割合でした(日本政策金融公庫 総合研究所・公庫の融資先3,517社)
- 閉店した飲食店の営業年数を見ると、カフェなど4つの業態では閉店した店の6割以上が、営業3年以内に閉めていました(飲食店.COM を運営する株式会社シンクロ・フードの集計)。これは「閉めた店の中」の割合で、開業した店の6割が閉まるという意味ではありません
「飲食店は3年で7割が閉店」は、出典が見つかりませんでした。よく見る数字ですが、銀行のコラムでも「言われている」という書き方です。怖い数字で焦るより、手元で確かめられる数字で決めるほうが、打つ手を間違えません。
店の数が減っているのは、お客さんがいなくなったからではありません。選ぶ人の目が厳しくなり、「行く前に確かめられる店」が選ばれている、と当社は見ています(推測です)。
インスタで見つけた人は、地図で確かめてから来る
SNS で情報を集める15〜29歳360名への調査(ファストマーケティング株式会社・2025年1月)では、飲食店の情報を集める SNS は Instagram が67.5%で一番でした。ここまでは、インスタが正しい入口だという数字です。
同じ調査で、気になったお店を「Googleマップに保存する」と答えた人は61.1%。検索で調べる中身は「レビューや口コミ」が69.4%でした。別の調査(FINEXT 株式会社・2026年3月・329名)では、口コミを調べる場所に Googleマップを挙げた人が76.6%です。どちらも、地図や口コミの道具を売る会社が出した数百人の調査で、全国の代表ではありません。それでも流れは同じです。
インスタで「いいな」と思う → 地図に保存する → 行く日に、地図で時間と口コミを見て決める。投稿をがんばるほど、最後の地図の画面が空いていると、そこで別の店に流れます。
インスタのフォロワーが遠くの人ばかりで、近所の人に届いていない、という悩みもよく聞きます。地図は逆で、Google は表示するお店を「関連性、距離、知名度」で決めると書いています。近くで「カフェ」と探した人に出るのは、地図のほうです。
数えると、カフェの7割近くは口コミが月1件に届かない
当社が2026年10月から全国のカフェ2,683店の Google の情報を数えた結果です(ある時点で数えたもの・中央値)。
- 口コミが月1件未満のカフェは1,828店(68%)。一覧の位置は25番目、口コミは82件でした
- 月5件以上のカフェは195店(7%)。一覧の位置は10番目、口コミは339件でした
- Google の投稿(お知らせ)をしているカフェは672店(25%)。口コミに返信しているカフェは850店(32%)
- サイト・電話・投稿・メニュー・予約・紹介文・写真10枚以上の7つのうち、5つ以上がそろうカフェは374店(14%)。位置は19.5番目で、0〜2つの769店は24番目でした
口コミが増えたから上がった、とまでは言えません。手入れをしているお店ほど、どちらもそろっている、という数字です。
もう1つ、カフェならではの数字があります。口コミの遅いカフェでは、最近の口コミ20件のうち79.1%が「ローカルガイド」(ふだんから口コミを書き慣れた人)の投稿でした。速いカフェでは61.9%です。遅いお店には、ふつうのお客さんの口コミがあまり入っていない。お店から一度も頼んでいない、ということが多いのだと思います(推測です)。
今日、自分で直せる3つ
1. 帰りぎわに、全員に同じように口コミを頼む
Google は、リンクや QR コードで口コミを頼んでよいと書いています。レジ横や卓に QR を置き、会計の時に「よかったら一言ください」と全員に同じように声をかける。それだけで始められます。
カフェでよく見る「口コミを書いたらドリンク1杯サービス」は、Google の決まりでは禁止です。インスタのハッシュタグ企画は、感想の中身を指定しなければ、ふつうはお店の広告に当たらないと消費者庁は書いています。インスタでよい特典が、Google の口コミではだめ。線が違うので、特典は口コミに付けないでください。
2. 返事を書く
返信しているカフェは32%。まだ少ない所です。頼んでくれたメニューや、座った席のことを一言入れて返す。例文と「返す店・返さない店」の差は「口コミの返信、例文と『返す店・返さない店』の差」に書いています。
3. インスタの投稿を、地図にも1つ置く
新しいメニューや、今週の休みを、インスタと同じ写真で Google の投稿にも出す。時間も確かめる。数えたカフェの71%(1,906店)は祝日の時間が未確認で、Google の画面に「時間が違うかも」と出る状態でした。入れ方は「祝日・年末年始の営業時間、Googleマップに入れていますか」へ。
まとめ:インスタは続けて、最後の画面を埋める
インスタをやめる必要はありません。見つけてもらう場所として、続ける価値があります。足りないのは、見つけた人が行く前に開く地図の画面です。口コミを全員に頼む。返事を書く。投稿と時間を地図にも置く。ここまでは今日、1人でできます。
どこまで自分でやるにしても、手を入れる先は、払うのをやめても残る所です。口コミ・写真・返事・お知らせは、掲載料や広告と違い、払うのをやめた月に消えません。やめたら途絶える集客を、来年も残る集客へ。続け方は下のページにまとめました。
- インスタは毎日続けているのに、平日の席が埋まらない
- 近所の人に、お店がまだ知られていない気がする
- 口コミを頼みたいけれど、どう言えばいいか分からない
どれかに当てはまる方は、今日のうちにどうぞ。
インスタの投稿は流れていきます。Googleマップの口コミと写真は、お店の名前の下に残ります。
出典:全日本コーヒー協会「喫茶店の事業所数及び従業員数」(資料:総務省統計局 事業所統計調査・経済センサス)・日本政策金融公庫 総合研究所「新規開業パネル調査」(2021年12月)・株式会社シンクロ・フード「閉店した飲食店の業態と営業年数」・みずほ銀行のコラム(「3年で7割」の書き方)・ファストマーケティング株式会社の調査(2025年1月・360名)・FINEXT 株式会社の調査(2026年3月・329名)・Google ヘルプ(ローカル検索の順位を改善する方法)・Google ヘルプ(クチコミの依頼)・消費者庁 ステルスマーケティングに関するQ&A(Q8)(2026年11月4日に確認)。店主の声は Yahoo!知恵袋の相談を2026年11月4日に開いて引きました。お店の数は、当社が2026年10月から全国のカフェ・ラーメン・居酒屋・整体・美容室14,504店の Google の情報を数えたうちの、カフェ2,683店の結果です(ある時点で数えたもの・中央値)。画面の名前は変わることがあります。